木管楽器全般
タンポはフィッシュスキンという動物の腸の皮と、フェルトからできています。
通常はタンポが破れた場合は交換になりますが、年数が経過して皮が硬くなった(フィッシュスキンは破れていない) 場合、トーンホールとの密着度が悪くなったり、タンポの変形などにより音の出が悪くなります。 タンポが悪くなると音色が悪くなり、音色が悪くなると水漏れ等が起こりやすくなります。
良い音を保つためには早めの(或いは定期的な)タンポ交換をお勧めします。
当店では5~6年に一度のオーバーホールをお勧めしています。練習の頻度・時間が多い方は早い場合で3~4年に一度オーバーホールされる方もいらっしゃいます。
ご自身で判断がつかない場合はご相談下さいませ。
タンポ消耗の悪循環
タンポが悪くなる → 音色が悪くなる → 水漏れが起こる → タンポが湿気を帯びる → 時間が経過すると水分が蒸発 → フィッシュスキンが乾燥してパリパリになる → フィッシュスキンが硬くなり、隙間ができる → 音が出にくくなる
ピッコロ / オーボエ / クラリネットなど
グラナディラ材の楽器 グラナディラは木の中では非常に硬い材質です。木材であるため、湿気や乾燥に瞬時に対応できません。
割れを防ぐために、以下のことに気をつけてください。
○ 寒い屋外から温かい室内へ移動した際に、楽器を組み立ててすぐに息を吹き込まない。
○ 楽器に息を入れる前に手など体温で温める。
○ 演奏中、演奏後にスワブをこまめに通す。
これらのことを行っていても割れが起こる可能性は十分あります。
演奏中に割れに気付いた場合は、すぐに演奏を中断し、スワブを通して楽器店へ持って行きましょう。
割れを放っておいて、さらに進行することはあっても、良くなることは絶対にありません。
楽器によっては、木目と割れの判断がつきにくい場合がありますので、わからない場合は修理の者にお尋ねください。お勧めします。
フルートの扱い方の注意
フルートの音色を決めるといってよい頭部管。
チューニングのときには頭部管を入れたり抜いたりすることで調節します。
その際に、リッププレートを握って抜き差しする方が多く見られますが、この行為は大変危険です。
音色を左右するリッププレート。この角度が微妙に変化しただけでも、吹奏感・音の反応・音質などががらりと変わり ます。そのリッププレートを握るとという行為、一度や二度ではそう問題はないかもしれませんが、100回、200回と 回数を重ねるたびに少しずつリッププレートが変形し、奏者も気づかないうちに音色が変わっているかもしれません。
同様に、主管ではキイを握ってジョイントすると、キイが傾き、タンポの調整(バランス調整含む)が狂います。
一度変形してしまったものを元通りに戻すことは不可能に近いので、奏者に気をつけていただくしかありません。
ジョイントするときはリッププレート以外の部分、主管はキイのない部分を握ってください。
ヘッドコルク交換
¥1,260(税込)
頭部管の反射板とヘッドスクリューの間にはヘッドコルクという18× 33mmほどの円柱形のコルクが入っています。このコルクを交換する だけでも吹奏感・音色が改善されます。
1~2年に一度は交換すると良いでしょう。
ジョイントコルク交換
B♭,Cl¥1,500(税込)
他¥1,800~¥2,500(税込)
マウスピース・バレル(樽)・上管・下管・ベルの5つの管体を繋いでいるジョイントコルク。
この幅11~12×80mmのコルクの役割は、管体の保持と漏れなくベルまで息を通すことです。
※交換の目安
・軽い力でジョイントできるようになったとき
・ジョイントコルクの一部分が欠けたとき
・演奏中に管体が動く(下がる)とき←危険信号
クラリネット・
サックス マウスピースの基礎知識
○ティップオープニング
リードの先端からマウスピースの先端までの隙間の幅。
これが狭いものは息が楽で明るめの響き、広いものは豊かでパワフルな響きが得られます。
【参考 H.セルマー社比 アルトサックス】
狭い ← S90/170 ─ S90/180 ─ S80/C★ ─ S80/C★★ ─ S80/D → 広い
○フェイシング
リードの先端からマウスピースとリードが接する点までの長さ。
これが短いものはコントロールしやすくクリアな音、長いものは豊かで丸みのある音が得られます
クラリネット・
サックス リガチャーの選び方
①まず、使い慣れたリガチャーで吹いてみてください。
②新しいリガチャーで、最初に音の均等性を確かめます。
(各音域を無理なく出せるか。パワーが均一か、pp~ff、低音・中音・高音での音の質はどうか)
③全音域においてタンギングがしやすいか。
自分で吹いているよりも他人の方が良く聞こえる場合があるので、自分ひとりだけで選ばないほうが良いでしょう。
④いくつかのモデルのリガチャーを試してください。
金管楽器全般
ピストンやロータリーにバルブオイルを注油しますが、注油のタイミングによってサビ・固着を防ぐことができます。
多くの方が演奏前にバルブオイルを注油しています。金管楽器の場合、奏法上、唾がたまりやすくなります。
演奏中、バルブオイルは唾とともに流れ出てしまいますが、ピストンまたはロータリーは唾でかろうじて動きます。 そして演奏終了後、唾抜きをして楽器をしまってしまう方が多く、練習の頻度が多ければさほど問題はないのですが 週に1回程度しか吹く機会がないと、唾が完全に蒸発した後、錆びて固着しかねません。
大事なのは演奏前のバルブオイルの注油よりも演奏後の注油です。
あなたの大切な楽器をいつも良い状態に保つために、以上のことをお願いします。
金管楽器マウスピース
各部のチェックポイント
マウスピースは、リム-カップ-スロート-バックボアから成り立っています。
これらの種々の部分を適切に結び合わせて初めて素晴らしいマウスピースができるのです。
○カップ(内径と深さ)
大きい : 音のボリューム(音量)を上げたり、コントロールしやすくなります。
小さい : 疲れを和らげ、体力のなさをカバーします。
深い : 特に低音域で暗い音になります。
浅い : 特に高音域で音を明るくし、反応を速めます。ハイトーンを出しやすくなります。
○リム
広い : 耐久力を増します。
狭い : 柔軟性を増やし、範囲を広げます。
丸い : より吹きやすくなります。
角張る : 音が明るくなり、アタックが正確になります。
○スロート
大きい : 大きな音量を出せるがppは難しく、疲れやすいが高音域がシャープになります。
小さい : 高音域は出しやすいが詰まりぎみの音色になり、低音域がシャープになります。
○バックボア
マウスピースのバックボアもまた非常に重要で、リム-カップの形-スロートに関係があり、さらにそのマウスピースが使用される楽器の口径や型にも密接な関係をもっています。バックボアが小さすぎると高音は響きにくくなり、大きすぎるとマウスピースには充分な抵抗がなくなり、短時間の演奏で唇はすぐに疲れてしまいます。
■カップの深さの表示
VD(かなり深い) ─ D(深い) ─ MD(やや深い) ─ M(普通)
― MS(やや浅い) ─ VS(浅い) ─ ES(かなり浅い)
■リムの暑さの表示
B(広い) ─ EW(特別に厚い) ─ VW(非常に厚い) ─ W(厚い) ─ FW(かなり厚い)
─ SW(やや厚い) ─ MW(中くらい) ─ MT(やや薄い) ─ MN(やや狭い) ─ N(狭い)